糖尿病リスクと肉食

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牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は、あまり食べない男性に比べて、糖尿病になるリスクが高くなるとの研究結果が発表されました。


これは、全国の45~75歳の男女約6万4,000人を対象に約5年間追跡調査を実施し、この調査結果に基づき、肉類の摂取と糖尿病発症との関連について分析した結果明らかになったものです。

研究では、肥満や喫煙、飲酒といった肉類摂取以外の糖尿病発症に関係する影響をできる限り取り除いたうえで1日当たりの肉類の摂取量に応じて4つのグループに分類した。

牛肉や豚肉などの赤肉に豊富に含まれる鉄は、酸化ストレスや炎症を引き起こし、インスリン感受性を低下させるという動物実験の結果があり、ヒトにおいても肉類、特に赤肉の摂取による糖尿病のリスク上昇が懸念されています。

しかし、これまでの疫学研究では、日本を含むアジアで行なった研究はほとんどなく、男女により、肉の摂取と糖尿病リスクに対する結果が異なっています。
そこで、多目的コホート研究において、肉類(総肉類・赤肉・加工肉・鳥肉)の摂取と糖尿病発症との関連について男女別に検討が行われました。

その結果、男性では肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で糖尿病発症リスクが高くなりました。摂取量が最も少ないグループに比べ、最も多い群では糖尿病のリスクが1.36倍高いという結果でした。

一方、女性では肉類摂取と糖尿病発症との関連はみられませんでした。

今回の研究では、男性において、肉類、特に赤肉の摂取により糖尿病発症のリスクが上昇する可能性が示されました。
その理由として、肉に多く含まれるヘム鉄や飽和脂肪酸、調理の過程で生成される焦げた部分に含まれる糖化最終産物(AGEs)やヘテロサイクリックアミンのインスリン感受性やインスリン分泌に対する悪影響が考えられます。
これまでの欧米の研究においても、男性では一貫して肉の摂取と糖尿病発症の関連が報告されていますが、、女性においては一致した結果は得られておらず、アジア(中国)の研究では、逆に肉の摂取により糖尿病のリスクが低下したという報告もあります。

今回の研究においても、女性では肉の摂取による糖尿病発症リスクの上昇はみられませんでした。
また、ハム、ソーセージなどの加工肉摂取については、最近報告されたメタ解析(多くの研究を統合した解析)の結果において、糖尿病リスク上昇が報告されましたが、今回の研究ではそのような関連はみられませんでした。
これは、日本人の加工肉摂取量が欧米に比べて少ないためと考えられます。鳥肉については、糖尿病発症との関連について一致した結果は得られておらず、さらなる検討が必要とのことです。

*本記事は、コホート研究班のプレスリリースを編集したものです。

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