糖尿病と遺伝

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こんにちは大石一二三です。

今回は、糖尿病と遺伝についての話です。

遺伝子についての記事がありますので併せて読むことで、より理解が深まるかと思いますのでご覧になることをお勧めします。

■糖尿病と遺伝

2型糖尿病は、様々な要因によって発症すると言われていますが、発症要因のひとつに遺伝が挙げられます。

例えば、一卵性双生児では一方が発症するともう一方も発症する傾向が高いことや、親子共に発症する例が多いことが知られています。

■欧米人と日本人の違い

遺伝子レベルで考えると、欧米人はインスリン感受性*が高い人が多く、逆に日本人は感受性が低い人が多いという傾向があります。

インスリン感受性が高いほど、少ないインスリンで血糖を処理できる事を意味します。効率よく血糖が処理できるので、糖尿病にかかりにくくなります。

このことから、遺伝的には欧米人の方が糖尿病にかかりにくい体質だと言えるでしょう。

にも関わらず、2014年に発表されたアメリカの糖尿病患者は人口の約9.3%で、イギリスは約7.3%もあります。

日本人の場合、約7.4%**ですから、欧米人が糖尿病にかかりにくいという傾向は見えてきません。

■生活習慣と糖尿病

一方で、糖尿病の発病に生活習慣が大きく関わっていることが知られています。生活習慣病と呼ばれるようになるまでは、贅沢病と呼ばれたこともあったほどです。

例えば、アメリカ在住日系人の2型糖尿病の発症率は日本より高い事が知られています。

日本から移住して生活期間が長いほど糖尿病を発症しやすくなるのです。

また、戦後の生活習慣の欧米化に伴って2型糖尿病患者の数が大きく増えていることも知られています。

日本だけにとどまらず、世界では糖尿病の患者数は増加の一途をたどっています。グローバル化による食習慣や生活習慣の変化によってもたらされていると考えられています。

この様に、糖尿病は遺伝と環境(生活習慣)の双方が深くからみ合っていると考えられています。

また、遺伝子研究が進むに連れて、環境や生活習慣により、遺伝子の発現性*が異なり、遺伝子で全てが決まるわけではないことも明らかになってきました。

言い方を変えると、生活習慣によって遺伝子の発現性をコントロールできると言うことです。

遺伝的に2型糖尿病にかかりにくい体質であったとしても、高タンパク・高脂肪・高糖質の食生活を続けることで、2型糖尿病のリスクを極度に上昇させていると考えられるのです。

そればかりでなく、このような食事は、メタボリックシンドロームのトリガーである循環器系の異常を早期に誘発することも知られています。

かつてアメリカ型の食生活を含むライフスタイルは、高度経済成長を担った世代の目標であり豊かさの象徴でもありました。

しかし、現在では豊かな層ほど野菜を中心とした食生活をし、貧しい層ほど高タンパク・高脂肪・高糖質の食生活をするように変ってきました。

ジャンクフードを始めとした手軽な食事に高タンパク・高脂肪・高糖質のものが多いというのが原因の一つです。

2014年に発表されたデータですが、世界の糖尿病人口、そのおよそ77%が開発途上国と呼ばれる地域(低所得者が多い地域)に住んでいることが知られています。

人口比率も大きく関係していますが、贅沢病と呼ばれたこともある糖尿病が低所得者層が多数住んでいる地域で増加している事実は驚きです。

かつては豊かさの象徴だった、高タンパク・高脂肪・高糖質の食生活を習慣にすることが、本当に豊かな食習慣なのか、本当に豊かな食習慣とは何かを見つめなおすことが必要ではないでしょうか。

*遺伝子の発現:遺伝子はDNAに記された設計図に過ぎません。設計図があるだけでは病気にはなりません。

設計図を使って部品を作り出すこと、すなわち「遺伝子の発現」がカギになります。

具体的には、「RNAによって複製された遺伝子を使って各種タンパク質が作り出されること」これを、遺伝子の発現と言います。

**2014年に発表された日本の糖尿病患者の割合は約7.4%で約950万人が糖尿病患者だと言われています。

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